DR30スカイライン 鉄仮面

FJ20ETエンジン オーバーホール&チューニング


広島のお客様から岡山国際サーキットでオーバーヒート後、油圧が低いという事でエンジンオーバーホールのご依頼です。

 

この車両は1984年から富士スピードウェイで開催されていたJSS(ジャパン・スーパースポーツ・セダンレース)と同型のエアロボディを装着した3ナンバー公認車両ですが、現在は登録抹消によりサーキット専用車両となっています。

 

エンジンを降ろし分解してみるとやはり・・・

4番ピストンのコンロッドメタルが流れて粉砕しています。

 

コンロッドメタルが流れるとコンロッドとクランクシャフトの接合部のクリアランスが広がり、油圧が低下してクランクジャーナルに段つき(画像左上の黄色丸内)が発生してクランク全損状態になってました。

 

画像右上はクランクシャフトの下にあるオイルパン内部の状態ですが、溶けたクランクメタルがこびりついています。

 

まずはヘッドの洗浄作業から開始します。カムシャフト・スプロケ・バルブ等を取り外し、こびりついたスラッジを除去していきます。

 

燃焼室側も丹念に洗浄も行いバルブを装着します。当車両の燃調ですが、かなり濃い目のセッティングとなっていたようで、カーボンが大量に付着していました。

 

元々装着されていた4番コンロッドは全損でしたので部品取りのエンジンから調達し、4本全ての重量合わせと鏡面仕上げ(強度増し加工)を施します。

 

今回のオーバーホールを兼ねて亀有エンジンワークスから発売されたばかりのFJ20用・鍛造ローコンプピストン 91φ(画像左上)を採用し、ハイブーストと高回転負荷の耐久性対策を行いました。

 

カムシャフトは TOMEI に純正品をハイカム加工に出し、IN・EX共に288° リフト量10.35に仕様変更し、10,000回転対応の強化バルブスプリングと調整式カムスプロケットギアも採用しました。

 

シリンダーブロックはオーバーサイズのピストン導入により、ダミークランクセンターボーリング及びホーニングで加工し、ブロック加工後にお好みの色で塗装(画像左上)してピストンの組付け(画像右上)を行います。  水穴盲蓋もサビがあり、水漏れの恐れがあったので同時に交換。

 

続いてシリンダーブロックにエンジンマウント(画像左上)や、フライホイール等を取り付けていきます。 フライホイールにはクラッチ板が滑った跡が若干ついてますが、今回は予算の関係で継続使用となります。

 

 

エンジンの要である吸気・圧縮・点火・排気の動作に重要に関わってくるバルブタイミングに着手します。

 

これがパワーの明暗を分ける大事な作業なので気が済むまで何度もやり、納得いくまでとことん突き詰めます。

 

エンジンを積み込み補機類を取り付ければ、あとはECUの燃調セッティングを行って作業完了となります。 画像右上はオートポリスでの試運転のワンシーンになります。

 

今回エンジンパワーが上がったのを機会に、TD06SH 25G 10cm² の大型タービンへ換装し、エアフロレスの仕様変更も行いました。

ブーストを2Kまで上げ、きっちりと燃調をとれば500馬力近くでるのではないかと思います。