
日産 FS5C71A 5速ミッション ・ オーバーホール

ハコスカのお客様から以前、民間の修理工場でオーバーホールしたのにミッションの入りも悪いし、ギヤ抜けもするとのご依頼で入庫しました。
サーキット等の過酷な走行をしている車両であれば短期間で調子が悪くなる事も考えられますが、当車両は街乗りのみの走行で、オーバーホールしているのに短期間で上記の様な症状は通常ありえません。
ミッションケースを分解しまず発見したのが、メインシャフトを固定しているダブルナット( 画像右上の黄色丸内 )のとんでもない作業状態でした。

拡大部分( 画像左 )を見て頂くとわかりますが、ナットが緩んでかなり隙間が開いているし熊にでもひっかかれたような凄まじい傷がついていました。
ナットはスパナやモンキーを使い締めるのが常識ですが、以前作業を行った人はタガネのような物 で叩いてナットを回して締めたと予想されます。
『 チューニングポリシー 』のページでも触れていますが、こういった作業をされた車両が危険な車です! このような作業状態だと最悪の場合、走行中にミッション内部で部品が外れてしまい、ギアがフルロックして大スピン等を起こす危険性が考えられます。

更に分解を進めるとシンクロ部分に欠け( 画像右の黄色丸内 )があるのを発見しました。
当然ながら交換部品の対象となります。
ナットの締め方があまりにも衝撃的だったので、前回の作業は全ての箇所が信用できません。
最終的にはベアリング類や消耗品パーツの交換でシフトフィーリングはスムーズになりました。
シャーシブラックで塗装されたミッションケース( 画像左上 )は汚く見えるので、サンドブラスト処理( 画像右上は施工後 )で塗装剥離を行い、見た目もリフレッシュさせて頂きました。
NB型 ロードスター 燃料系オーバーホール

NB 型ロードスターのお客様が来店され、エンジンが2000回転から3000回転付近で息つきが起きるとの事で入庫しました。
外装や車内は綺麗に手入れされており、オーナーさんの愛着度が伝わってきます。
早速、不具合箇所の検証を始めます。

燃圧を測定しながら走行してみると、確かに3000 回転あたりで息つきを起こし、燃圧が突然落ちる症状を確認しました。
高回転域で息つきを起こすという事であれば、プラグの失火による点火系トラブルも考えられますが、低回転時の場合はまず燃料系の不良を疑ってみます。 そして燃料ポンプを外してみると・・
燃料ポンプに錆が!! 嫌な予感がします・・・

次は燃料フィルターを外して恐る恐る逆さにしてみると、出るわ出るわ茶色い液体が!( 画像右 )
見てはいけない物を見てしまった気分です・・・
これは燃料系パーツの総取替えが必要と判断し、燃料ポンプ ・ 燃料フィルター ・プレッシャーレギュレター等を交換し作業完了です。
他にも燃調のセッティング不具合もありましたが、詳細は 『 ECUチューニング 』 のページをご覧ください。