
近年、車両改造の規制緩和が進む一方、その反対に構造変更(公認車検)の取得が難しくなってきています。 ブリスターフェンダーやオーバーフェンダー装着の車幅変更もかなり大変ですが、もっと大変なのは原動機変更(エンジンスワップや排気量変更等)になります。
日産やトヨタといった自動車メーカーが膨大な費用をかけて設計や試験を行い、ようやく国の認可を取得した車両を更に改造して認可をとるのですから、労力や費用がそれなりにかかるのは仕方のない事ではあります。
当店ではステアリングギアボックスをラックアンドピニオンに変更したり、ロールバー装着に伴う 2名乗車に変更といった色々な記載変更や構造変更の取得代行を行っております。
公認車検による街乗りを重視したチューニングも積極的にチャレンジしますので、『こんな公認車検は可能ですか?』といったご相談はお気軽にお問い合わせください。
勿論、普通の一般車検も行っておりますのでお気軽にご相談ください。
S31 フェアレディZ
原動機変更
エンジン変更( L20 ⇒ L28 )公認取得
キャブレター装着(ソレックス 3連)公認取得
車幅変更
オーバーフェンダー装着 公認取得
S31フェアレディZのエンジン変更及び、 車幅変更(オーバーフェンダー装着)公認取得のご依頼をいただき、申請手続きを行いに陸運局まで出向きました。
車幅の測定方法ですが、以前は糸をフェンダー部から床に降ろしマーキングした距離を測っていましたが、現在ではタイヤの横に反射鏡(上記画像の黒と白の円盤)を設置し、測量士のような方法で測定を行っています。
KGC110 ケンメリ スカイライン
原動機変更
エンジン変更( L20 ⇒ L28 )公認取得
キャブレター装着(ウエーバー40φ・タコ足付)公認取得
変速機変更
71C型5速ミッションに変更 公認取得
車幅変更
オーバーフェンダー装着 公認取得
福岡県久留米市のお客様より、KGC110ケンメリの公認車検のご依頼を頂き、久留米陸運局に出撃してきました。
実は陸運局に出向くのは2度目の再戦となり、排ガス検査が関係する原動機変更(エンジン)の公認取得において一発合格は正直困難です。
タコ足とマフラーの接合部(画像左下の黄色枠内)に苦労したり他にも色々とありましたが、無事に3ナンバーを取得する事ができ、車検証(画像右下)が発行されました。
S31 フェアレディZ
原動機変更
エンジン変更( L20 ⇒ L28 )公認取得
キャブレター装着(ソレックス 44φ 3連)公認取得
当ページでは当店お客様のS31フェアレディZのエンジンを、L20からL28キャブにエンジンスワップして、構造変更取得を行っていく過程を、簡単な説明ではありますがご紹介させて頂きます。
① ガスレポート作成
ここからが書類との戦いの始まりです!
エンジンスワップが完了したら、現在装着されているエンジンがどういった仕様・性能なのかを証明する自動車排出ガス試験成績表(通称:ガスレポート)を作成します。
上記書類に記載されている車両型式は130Zになっていますが、L28エンジンが搭載されているので排出ガスの性能証明となります。
② 改造概要等説明書作成
次に作成する申請書類は改造概要等説明書になります。
この書類は公認を取得しようとする車両を検査場に持ち込んで、詳細なデータ取りを行います。 車両に問題があれば再度、やり直しとなりますのでかなりの手間がかかります。
③ 陸運局に到着
陸運局に検査予約をとり積載車で検査車両を持ち込みます。
そして申請書類を窓口に提出し、書類不備が無ければ検査順番が来るまで駐車場で待機します。
④ いよいよ車検スタート
ようやくS31フェアレディZの順番です!
5ナンバーから3ナンバーに生まれ変わる時がやってきました♪
⑤ 検査官様よろしくお願い致します
検査項目はサイドスリップ ・ ブレーキ ・ スピードメーター車速 ・ 光軸など色々とあります。
下回り検査では2人の検査官の方が厳しい目つきでジロジロ! と穴が開きそうな位にチェック。
僅かな排気漏れや重要保安部品のオイル漏れ等でもあれば当然ながら再度出直しとなります。
⑥ 車検の前半がやっと終了
画像左上は前輪のみプレートに乗っていますが、振動によるステアリングのブレ具合を検査しています。
画像右上は排ガス検査になりますが、オイルがでているようなエンジン状態は論外なので、 事前のコンディションチェックは重要です。
⑦ 車検の後半スタート
検査ラインを別の場所に移動し、まだまだ検査はあります。
画像右上は後輪をプレートに載せ、後軸重を計測しています。
簡単な内容で車検のご紹介をしていますが、公的機関が行っているようなしっかりとした内容の車検を行えば手間と時間はそれなりにかかります。
今時の民間工場での立会い車検は、お客さんをそんなに待たせる訳にはいかないので、所要時間は約30分とかなり短めです。
しかしそんな短時間で検査項目を完全に確認出来ているのか疑問に感じます・・・
⑧ 車幅 ・ 全長の測定
車幅(画像左上)の一番飛び出している部分から垂直に糸を垂らし、床にマーキングします。
全長(画像右上)も同様にマーキングを行います。
あとは車両を移動してメジャーでマーキング位置を測定(画像左下 / 右下)し、車検証の寸法データとなります。
⑨ エンジンチェック
画像左上はエンジン型式・ブロック刻印等の確認作業中です。
検査項目の全てが完了し、検査ラインから外にでていきます。( 画像右上 )